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57577の宝箱
文筆家の土門蘭さんによる短歌とエッセーの連載です。週一回更新予定。
カルチャー
【57577の宝箱】さよならのあとも生まれた縁は切れず 体のどこかで静かに脈打つ
2022/03/16
これまでにアルバイトをいくつしただろうかとふと気になり、数えてみたら7つだった。焼き鳥屋、書店、ティッシュ配り、テレフォンアポイントメント、大学の事務、創作料理屋、知人の会社の引っ...
カルチャー
【57577の宝箱】好きだったアイスクリームをかじったら ひとりの頃の私に戻る
2022/03/09
先月は半分くらい、家にこもりっきりだった。コロナ禍で保育園が休園した翌日、次男が発熱して陽性が発覚。さらに数日後、家庭内感染が始まって、あれよあれよと全員が熱を出した。熱を出したの...
カルチャー
【57577の宝箱】ぎこちない手で水掻き分け続ければ なめらかに泳ぐ日がいつか来る
2022/03/02
昨年人生で初めての車を買ったことは、この連載でも何度か書いた。10月に納車されて以降、何度もドライブをしていろんなところへ出かけている。もともとインドア派の私にしては、信じられない...
カルチャー
【57577の宝箱】やわらかなあなたのままでいられるよう わたしもなるべくやわらかでいる
2022/02/24
うちには10歳と5歳の息子がいる。歳は少し離れているけれど、「そっくりだねえ」と笑われるくらいそっくりな兄弟で、時々ケンカはするが仲が良い。長男は弟がかわいいらしく、腹が立っても決...
カルチャー
【57577の宝箱】身体という器の中で 魂という液体が光って揺れる
2022/02/16
ずいぶん前に、仕事仲間と飲みに行った時のこと。まずは、ビールを頼んで乾杯。その後はそれぞれ、思い思いにドリンクを注文した。私は根っからのビール党なので、最初から最後までずっとビール...
カルチャー
【57577の宝箱】転がってゆく球体と戯れる 小さな子どもに還る瞬間
2022/02/09
中学、高校と、バスケットボール部に所属していた。きっかけは、小学生の頃に始まったアニメ「スラムダンク」。あまりに話がおもしろく大ファンになり、自分も部活が始まったら絶対バスケ部に入...
カルチャー
【57577の宝箱】いつか来るちゃんと愛せるその日まで あなたに渡す名を考える
2022/02/02
うちには動物がいない。実家では犬、猫、セキセイインコを飼っていたことがあるのだが、家を出てからは一切生き物を飼っていない。今まではそれで特に何か思うことはなかったのだが、最近「動物...
カルチャー
【57577の宝箱】一枚のビニール袋が宙に舞う 地球(ほし)の動きと戯れながら
2022/01/26
「もしよかったら、ダンススタジオで一緒に体を動かしませんか?」年末に、そんなメッセージをいただいた。送り主は、以前インタビューしたことがあるダンサー兼振付師の女性。「年末年始に京都...
カルチャー
【57577の宝箱】唐突に空いた君専用の穴 心の窪みを「恋」と呼んでる
2022/01/19
よく一目惚れをするタイプだ。恋をするとき、あるいは恋に近しい感情を抱くとき、ほとんどそのスタートの仕方は「一目惚れ」だった。それなので、その人のことをよく知らないまま好きになる。性...
カルチャー
【57577の宝箱】魔法でも偶然でもない 意味のある行為はいつか自信となって
2022/01/12
昔から、料理が苦手だった。できることならしたくないなぁと、ずっと思っていた。でも、一人暮らし時代には自分のために、子供が生まれてからは家族のために、料理しなくてはいけない。誰か代わ...
カルチャー
【57577の宝箱】何もない日々にカメラを構えれば そこに広がる無限の被写体
2022/01/05
この連載を始めたのは、2020年のことだった。週に1度の公開なので、書く頻度もそれと同じくらい。2週間に1度、2本分のエッセイの締め切りがあるのだが、週に1本ずつ用意することもある...
カルチャー
【57577の宝箱】捨てられないものの重みを感じつつ スーツケースとともに旅する
2021/12/28
昨年、初めてドラマの脚本に携わった。その作品がもうすぐ公開される。ゼロから脚本を書くのではなく、「すでにある脚本に、さらに肉付けしてほしい」という内容のご依頼だった。具体的には、主...
カルチャー
【57577の宝箱】歳月を重ねた手櫛に身を委ね ぷつんと抜かれた白い髪の毛
2021/12/22
約2年ぶりに母と会った。コロナ禍でなかなか会いづらい日々の中、広島にいる母が久しぶりに京都に来てくれた。夜には仕事があるから(母はスナックをやっている)、日帰りで来るという。そんな...
カルチャー
【57577の宝箱】一日の中から時間を取り出して ハーブティーの湯気で満たして
2021/12/14
年上の友人が、とても美味しいハーブティーを作っている。数年前ふらりと立ち寄ったマルシェで、ハーブティーのお店を開いている彼女と偶然再会した。久しぶりのことだったので、彼女が以前の仕...
カルチャー
【57577の宝箱】ペンの先すべらせ文字を紡ぐ君 私をつつむ思考の織物
2021/12/08
「土門は字を書くスピードが速いな」大学時代、アルバイト先で日誌を書いていると、バイト仲間の友人にそう言われたことがある。友人は後ろから私の手元を覗き込みながら「急いでるんか?」と言...
カルチャー
【57577の宝箱】強い歯で酸いも甘いも噛み締めて 食いしん坊は味わい尽くす
2021/12/01
友人に「お気に入りの映画」を教えてもらうのが好きだ。最近観ておもしろかったとか、印象的だった映画でもいい。友人には感性が近い人が多いから、自分もおもしろく感じるだろうというのもある...
カルチャー
【57577の宝箱】細腕のまま手を伸ばしてみればいい 指に触れるは新しい花
2021/11/24
大学を卒業して就職したばかりのころ、ふと立ち寄った大阪の「ミドリ電化」という電気屋さんでこんな音楽が流れていた。いつもニッコリほほえんで「やってみます」のミドリです「できません」と...
カルチャー
【57577の宝箱】4,5滴の文字が心にしたたって ゆっくり広がる温かな色
2021/11/17
今年に入ってから、小学校のPTAの副会長と、保育園のバザー委員の副部長を担当している。最近は会議や文書作成で忙しい。もともとは、保護者のそういった活動についてそんなに熱心ではないタ...
カルチャー
【57577の宝箱】心臓の鍵開けている 振動が指に伝わる走り出す今
2021/11/10
先週末、初めての車が我が家に届いた。この連載でもこれまでに「車を買う」と決めたことや、ペーパードライバー教習に地道に通っていることを書いてきたけれど、ついに納車だ。納車の前の日は、...
カルチャー
【57577の宝箱】言葉など持たない楽器の打てば鳴るくらいの単純さにあこがれて
2021/11/02
インタビューという仕事を始めて、15年ほどになる。「インタビューをするとき、どんなことに気をつけていますか」という質問を時々いただくのだけど、前もって質問内容を用意するとか、当日は...
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